那覇には「三大まんじゅう」と呼ばれているまんじゅうがある。「テンピヌメーまんじゅう」「山城まんじゅう」「のうまんじゅう」だ。ひとことでまんじゅうといっても、それぞれに特徴があって、おいしさも違う。別に対立しあっているわけではないが、那覇市民のまんじゅう好きのなかにも「のうまんじゅう派」とか「山城まんじゅう派」なんていうのがあったりする。これら那覇の三代まんじゅうのなかで、市場などのお菓子屋で売っているのは「テンピヌメーまんじゅう」だけである。
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というのも、「山城まんじゅう」と「のうまんじゅう」はそれぞれ1軒の店が独自に作って販売しているまんじゅうだからだ。これらのまんじゅうは熱々の蒸したてがウリなのに対して「テンピヌメーまんじゅう」はできたてじゃなくてもおいしいく食べられる部類のまんじゅうなので、お菓子屋におろすことができる。いずれにも共通なのは、誰にでも簡単に作れるものではないということ。というよりも、同じようなものは作れても、同じ味以上のものは作れない、いわば創業店の秘伝の味なのである。「テンピヌメーまんじゅう」は、ユーヌク(麦焦がし。はったい粉ともいう)に黒糖を練り混ぜた飴を使っている。これを麦粉の薄皮で包み蒸したもので、ユーヌクの素朴な甘さが郷愁を誘う一品だ。「テンピヌメーまんじゅう」の名は、天妃と呼ばれ、航海安全の守護女神として信仰された媽祖を祀った那覇市久米の天妃宮の境内で売られていたいろんなまんじゅうの総称だったが、今も製造を続けているのは創業100年の『ペーチン屋』)ともう1軒だけになっている。